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活用例

既存船舶の修繕・改造業務でスムーズな3次元モデル化を実現。3次元設計により工期半減で競争力アップ!

株式会社三和ドック様は広島県尾道市因島に所在を置く、国内トップクラスの実績を持つ船舶の修繕専門ドックです。内航船から大型外航船まで、年間400隻を超える多種多様な船舶に対して幅広い修繕・改造工事を行っており、特に近年は国際的な環境規制に伴い必要となるバラスト水処理装置やSOxスクラバーと呼ばれる大型機器の搭載工事を3Dレーザースキャナを用いた三次元設計手法により多数手がけています。2016年には最大6万総トンの船舶に対応できる大型ドックを新設、国内外船社様の船舶の安全運航と環境保全に寄与すべく日々業務に取り組んでいます。

今回は、設計室室長の松崎拓也様に、ClassNK-PEERLESSを導入された経緯や効果をご紹介いただきました。

設計室 室長
松崎拓也氏

品質と工期短縮のために現場任せの作業からの脱却品質と工期短縮のために現場任せの作業からの脱却

三和ドックの事業内容を大別すると以下の3つに分けられる。

  • (あるがままに直す)一般修繕工事
  • (新しいものを搭載する)改造工事
  • (設計作業を行う)エンジニアリング業務

このうち改造工事とエンジニアリング業務は、すでに出来上がった船舶の現状を正確に把握することが最も重要であるが、3次元計測技術が無かった頃はこれが出来ず、現場で調整作業の大量発生、工期の長期化、目指すべき品質が保てないなどの課題があった。

2005年ごろに3次元レーザースキャナの存在を知り、どうにかこの計測技術を使って前述の課題の解決を模索するも、計測した点群データをどのような処理を経て現場の仕事にまで落とし込むかが、当時の技術や市販のソフトでは見えなかった。とりわけ費用対効果、時間的制約、膨大な作業量から点群データを元に行う3Dモデル化作業のハードルが高かった。

圧倒的なモデリングスピード、直感的な操作、設計者でなくてもモデリングできる機能を目指す

この課題を解決するために、ソフトウェアの企画段階から参画し設計者のような専門家でなくても直感的な操作で圧倒的なモデリングスピードが出せるシステムの開発に向けて協力し、ClassNK-PEERLESSとして実用化したものを導入することとした。

同時にClassNK-PEERLESSの上流と下流の作業に必要な、3Dレーザースキャナ、3D設計CADシステム、生産のための機械装置等を導入し、①改造工事が行われる数か月前に船舶の3D計測、②ClassNK -PEERLESSでの現状3Dモデル化、③3D詳細設計、④必要な部材の事前生産、⑤準備万端で実工事に着手する、という仕事の流れを構築した。

PEERLESSを使っている作業風景

3次元モデル化作業の効率化により、工期2分の1に3次元モデル化作業の効率化により、工期2分の1に

ClassNK-PEERLESS導入により3次元モデル化作業が効率化されたことで3次元設計以降の作業の精度向上と時間的余裕が持てるようになり従来受注が難しかった設計から工事までの一貫した改造工事やエンジニアリング業務を大量に受注できるようになった。

従来できなかった3次元設計がおおなえることにより、既設設備との干渉の減少、現場合わせ作業の最小化、近隣企業との協業による工事量の平準化、などその効果は高く2次元設計していた頃と比べ工期は1/2程度になったと感じる。

なお現在、大がかりなSOxスクラバーの搭載設計では、

  • 3Dレーザースキャナによる計測:8時間(最大300カ所で計測)
  • ClassNK-PEERLESSによるモデル化作業:300~500時間
  • 改造設計(基本設計、詳細設計、生産設計):3000~5000時間

をかけて行っており、高品質な設計アウトプットを提供できるようになった。

今後

ClassNK-PEERLESSのモデリング作業がさらに効率化が実現するならば(究極にはボタン一つですべての部品を自動的に3Dモデル化できるようになれば)、時間的制約の厳しい一般修繕工事の分野にも活用できるようになればと考えている。

煙突ブロック搭載

お客様プロフィール

株式会社 三和ドック

本社 広島県尾道市因島重井町600番地
URL https://www.sanwadock.co.jp

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