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活用例

橋梁を対象としたモデリングの事例~点群とモデリングの二刀流で広がる橋梁の世界~

オフィスケイワン株式会社様は、橋梁業界におけるDX推進・3次元データの活用に率先して取り組む会社です。確かな技術・ノウハウを礎に、3次元データの活用を前提とした橋梁の新しいワークフローを実現しました。同社開発の橋梁BIM/CIMシステムはNETISに8件登録されており、さらに設計段階だけでなく現場に向けたシステム・サービスも提供しています。橋梁のことはオフィスケイワン様に相談すれば間違いなしです。

【主な事業内容】

  • 橋梁CIMシステムを用いた橋梁3次元設計照査サービス
  • 橋梁CIMシステムをはじめとするシステム開発、販売、保守サービス
  • 橋梁施工現場へのICT技術の導入、生産性向上の取り組み支援
  • 橋梁ライフサイクルにおけるデータ交換技術および3Dモデリング手法の研究開発

【強み】

  • 自社開発橋梁BIM/CIMシステム(特許4件、NETIS登録製品8件)
  • 桁橋から長大橋、鋼橋、PC橋の幅広い橋梁上部工のモデリングサービスを実施
  • PRISMプロジェクトの現場に参画(4件)、橋梁BIM/CIMと現場ICTを繋ぐ役割
  • 3次元データの活用を前提とした新しいワークフローの実現へ注力

鋼橋上部工の桁橋専用システム『CIM-GIRDER』や、工場製作によるプレキャスト桁向けのPC桁橋CIMシステム『CIM-COMPO』など、橋梁設計を支援するシステムを数多く展開しています。図面の数値を入力するだけでモデルを作成できる機能など、CADの操作ができない未経験者でも入力できるシステムは業界でも評判です。

今回は、営業・開発・情報サービス業といった多岐に渡る業務をこなし、ClassNK-PEERLESS(以下PEERLESS)の作業も担当されている菅様にお話を伺いました。

代表取締役 保田敬一様(左)、技術開発部 菅功人様(右)

ClassNK-PEERLESSを導入したきっかけ

PEERLESS導入以前から、点群データは扱われていたそうですが、点群データのモデリングを考え始めたきっかけを教えてください。

菅様:点群データの活用の幅を広げるためです。元々は架設シミュレーションに使う既設橋の現況を確認するために点群データを使用していました。しかし、図面が残っていないような古い橋梁のデータを扱う機会が増えると、2次元図面としても残したいという要望が出てきたため、モデル化を行うことになりました。また、大きな点群データをモデリングすると容量を小さくできることも理由の一つです。

アルモニコス:点群データのモデリングソフトとして、PEERLESSを選ばれた理由を教えてください。

菅様:操作がすごく簡単で、精度良くモデリングができるというところでしょうか。実はPEERLESSに出会う前に、いくつかの方法でモデリングを試したこともあったのですが、思うような精度が出なかったり、精度が良くても操作が難しかったり、処理が重くて現場で操作できなかったりとなかなか苦戦していました。

アルモニコス:確かに、橋梁のモデリングといえばコレだ!というソフトはあまりないですよね。PEERLESSも、配管や鋼材など、船舶やプラント設備のモデリングが得意なソフトなので、橋梁のモデリングにご活用いただけるのは意外でした。

菅様:実は、橋梁にも配管はあります。排水装置は配管機能を使っていますし、横桁はアングル材、主桁はH形鋼やT形部材など、主に自動機能を使ってモデリングしています。

※画像のような橋梁をモデリングする際、菅様は以下の機能を使われるそうです。
主桁 :スケッチ機能で断面作成→ロフト機能
横桁・対傾構 :鋼材作成機能、平面作成機能、3面交点機能
支点部 :平面作成機能、3面交点機能
排水装置 :配管作成機能
下部工 :平面作成機能、3面交点機能
床面 :スケッチ機能で断面作成→ロフト機能

設計値モデルの断面図
再現モデルの断面図

※設計値モデルと再現モデルの比較
点群からモデルを再現しておくことで断面図による比較が容易にできるそうです。
カラーマップ表示で誤差を確認後、断面図比較でさらに詳細に確認します。

導入効果

導入してどんな効果がありましたか?

菅様:大幅に作業時間が削減されました。まず、現場の計測からモデリングまでの全工程で1週間かかっていた作業が、点群データの導入で15時間まで短縮され、さらにPEERLESSを導入したことでトータル10時間まで短縮されました。これは一径間あたりの作業時間なので、範囲が増えればさらに時間削減になります。

実際に使った感想を教えてください。

菅様:やはり、操作がすごく簡単です。点をなぞるだけでモデルが作成されるので、人に操作を教えるのも楽です。また、サポートもこういったソフトの中では一番良いです。質問したらすぐに返答をもらえるので頼りにしています(笑)。

アルモニコス:ありがとうございます。今後も頑張ります!

菅様:さらに、PEERLESSでモデリングをするうちにいろいろな発想が生まれて、モデリングを始めた当初よりも点群データの活用の幅が広がりました。例えば、細かい部分までデータを見るようになり、鋼材の板厚を出したいと考えるようになりました。全ての板厚を出すためにはどのように点群をスキャンするのが良いのかを検討するため、点群をスキャンする際のシミュレーターを作りました。

アルモニコス:すごい!使ってみたいです!

※上述の点群シミュレーター
画像中の球をスキャナの置く位置と仮定した場合、各位置からどのような点群データが取得できるのかを次の画像のように確認することができます。ここで使用するモデルは、これから測定する対象と形状が近いモデルをPEERLESSで簡易的に作成するそうです。

スキャン位置ごとの死角や必要なスキャン回数をパソコン上で事前にシミュレーションできるので、必要な箇所を確実に点群として取得できるようになります。また、多様な構造物を再現したケーススタディが現場に出向かず作成できるため、点群データ処理のトレーニングにも利用できるそうです。

今後について

PEERLESSでの橋梁モデリングをさらに使いやすくするために、どのような機能を期待しますか?

菅様:二つあります。一つ目は、土木系の座標への対応です。現在はワールド原点とローカル原点の使い分けができますが、より詳細に調整したいです。二つ目は、充実した2D対応です。やはり土木業界では2Dが必要な場面が多いです。一覧性が良かったり、寸法が入れやすかったりと、現場での受けがいいので。そういった面ではPEERLESSの誤差カラーマップは重宝しています。

アルモニコス:貴重なご意見ありがとうございます。土木業界向けの機能も今後充実させていきたいと思います。

誤差部分が一目でわかるカラーマップ表示機能

まとめ

いかがでしたでしょうか。既存の業務にスキャナーやモデリングソフトを導入することで、こんなにも活用の幅が広がるのですね。3Dレーザースキャナ導入後できるようになったことから発展させ、点群モデリングを導入することで、さらに点群を活用されているオフィスケイワン様の事例は、これから点群活用を考えている方、すでに点群を扱われている方どちらにも参考にしていただけるのではないでしょうか。
PEERLESSユーザー様は船舶や工場、プラントなどの業界に多いですが、今回は最近増えつつある土木業界のユーザー様にお話を伺いました。実は、PEERLESSは設備系以外にも橋梁やダムやトンネルといった人工的な構造物をモデリングするのが得意です。皆様の業務で活用できそうだと思っていただけましたら、ぜひご相談ください。

お客様プロフィール

オフィスケイワン株式会社

所在地大阪府大阪市西区新町1丁目10-2 大阪産業ビル8F
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TEL06-6567-8951

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