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曲線・曲面処理

紙図面からのCADデータ化/バルブボディのリバース

長年、アルモニコスで研究開発してきた「ポリラインからの直線・円弧の完全自動近似」が実用化に至りました。

基本的なベクトル幾何問題になります。プログラマーであれば簡単な問題と思えますが、実データにおいて完全自動化することは、意外とハードルが高い課題です。円弧と直線は接線連続(G1)を保持しなければいけない、かつ、最も誤差の少ない近似を行う、という条件下において、完全自動で円弧端を決定するという課題です。

あいまいなケースにおいては人間の判断に委ねる、という手法がCAD/CAMの世界で採用されていますが、近似対象の線図が大量にある場合には、操作の手間は膨大になります。

ポリラインから直線・円弧自動近似というプログラムが必要になるケースはさまざまですが、以下の2つのケースの実データを使って研究開発を続けてきました。

※本機能は、2019年6月リリースの「spScan」に搭載しました。

設計データが紙図面しか残っていない場合

  1. 紙図面をスキャンし画像データ(ラスタデータ)にします。

     
  2. 太くにじんでいる線に対して、画像処理技術で芯線化(ポリライン化)を行います。

     
  3. そのポリラインから、直線・円弧の自動近似を行い、2D図面データに変換します。

バルブボディ油路のリバース

バルブボディとは、オートマチックトランスミッションの油圧を制御する部品です。迷路のように入りくんだ構造をしており、油圧によって変速を制御します。

油路の断面はほとんど直線・円弧で構成されています。効率よく油圧を制御するため、直線・円弧間にはG1連続性(接線連続)が要求されています。かつ、油路の全体形状はとても複雑であり、一般的な手法で3Dモデルにリバースすると、大変な作業時間がかかります。

今回は、直線・円弧自動近似手法を利用し、より短時間で、バルブボディの3Dモデル化を実現できました。

  1. レーザースキャナーなどの非接触測定機でエンジン油路を計測します。(ポリゴンメッシュ化)

     
  2. 計測データ(ポリゴンメッシュ)に対して、その断面線(ポリライン)を生成します。

     
  3. そのポリラインから、円弧、直線の自動近似を行い、油路の輪郭線を定義します。

     
  4. 3D CADにその線群を取り込み、3Dモデル化します。

関連製品

リバースエンジニアリングソフトウェア spScan

研究担当

紙図面からのCADデータ化/バルブボディのリバース

AXION事業部 穆凱圓

修士論文は「Isogeometric analysis of shell models with accurate curvatures represented by B-spline surfaces」。

入社以来、点群、ポリゴンメッシュ、曲線・曲面関連の仕事に従事。アルモニコス製検査ソフトspGaugeの開発を中心として活躍。2018年からは同社製リバースソフトspScanの開発を新しい舞台に。

紙図面からのCADデータ化/バルブボディのリバース

※所属・肩書は記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。