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IoT/AI 2次元コード

AIを利用したDataMatrixの検出

アルモニコスでは、株式会社ライサン様と協同で「画像からの物体検出」の研究をしています。
ラボラトリーの以前の記事では、ディープラーニング技術を利用して「木口(末口&元口)をすべて自動で検出する」内容の研究を報告しました。
今回は、同じAI(ディープラーニング)技術を利用して、DataMatrixの位置を検出することにトライしました。

DataMatrixとは?
二次元コードの規格のひとつで、米国で開発されたものです。情報密度が高く、バーコードの10倍から100倍程度のデータを記録可能と言われています。歪みや汚れに強く、読み取り方向の自由度が高いのが特徴です。パソコン部品の製品管理などに良く使われています。写真のように弊社のPCのHDDにもDataMatrixコードが付いていました。

一般的な画像処理では、DataMatrixを矩形認識する段階で下記のような課題があります。
すべて輝度変化に影響するものです。

  1. 平面以外の形状に対する打刻
  2. 表面の傷や劣化による反射率の変化
  3. ヘアライン加工等の表面処理の影響

画像処理では解決できない諸問題をディープラーニングで解決しました。

DataMatrixの検出

明るい画像

暗い画像

複数コード

検出を期待する142枚の画像に対して、すべてのDataMatrixの位置を検出することができました。DataMatrixを認識し位置を検出することにおいては有効性が確認できたと思います。

ところで、ディープラーニング技術として利用したYOLOv3のバウンディングボックスの出力は、
 topleft_x, topleft_y, width, hight
という形ですので、上の画像のようにDataMatrixの傾きに合致するものではありません。

画像の回転などを少し工夫し、傾きを合わせてみました。下の図をご覧ください。

木口検出のアルゴリズムとは異なるアプローチですが、AIを上手に利用し、対象物にあわせてブラッシュアップすれば、様々なケースに適用できそうです。

今後、DataMatrixの普及が進めば、このようなアプローチで検出することが普通になるでしょう。
アルモニコスにおいても、いつか普通になる、普遍的な技術になるものを、先駆的に挑戦していこうと思います。

研究担当

AIを利用したDataMatrixの検出

株式会社ライサン 代表取締役 社長 中嶋 孝行 氏

2010年8月(株)ライサン設立。形状処理システムの開発/運用コンサルを中心に活動。

CATIA モデルファイルの解析/自動面張りソフト開発/RP用CADシステム開発/デザインCADシステム開発/プレス型作成システム開発など。共著書に『CAD CG技術者のためのNURBS早わかり Non‐Uniform Rational B‐Spline』(工業調査会)

趣味は、釣り、読書、バイク、ツーリングなど多数。

AIを利用したDataMatrixの検出

株式会社アルモニコス A-Pro事業部 副事業部長 宮崎篤司

1999年、(株)アルモニコス入社。

大学卒業後、製造業でプラントの設計業務を経験した後に、ソフト側から製造業を支援したいと思いアルモニコスに転職。

入社以来、自動車メーカを中心とした多くの製造業向けの専用システム開発に携わり、お客様の業務効率化の実現を支援。

趣味は、釣りとドライブ。最近ワカサギ釣りにはまり、毎年1回山中湖に釣行。100匹以上の釣果を目指すも未だ超えられず。愛車はアバルト。いつかサーキットで全開走行するのが夢。

AIを利用したDataMatrixの検出

株式会社アルモニコス 代表取締役 社長 森川 滋己

1988年、(株)アルモニコス入社。

入社以来、「点群、ポリゴン、自由曲線、自由曲面」を扱う形状処理技術に従事。特許出願、多数。アルモニコス製パッケージソフトspGate、spGauge、spScan、ClassNK-PEERLESSの企画および立ち上げを牽引。

1999年、取締役に就任。2014年、代表取締役社長に就任。

趣味は、読書、釣り、ゴルフ、サーフィン。

AIを利用したDataMatrixの検出

※今回のプロフィール写真は、山中湖にワカサギ釣りに行った時の写真です。富士山のふもとで、たくさんのワカサギを釣ることができました。

AIを利用したDataMatrixの検出

AIを利用したDataMatrixの検出

※所属・肩書は記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。