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点群・ポリゴン処理 樹木

樹木保全のための3Dカルテ

林業向けの取り組みをラボラトリーにて公開しています。

老齢大木の「健康度」を判断するための数値を求められる調査方法を使い、樹木用のカルテを作ることにトライしました。アルモニコスが得意とする3次元技術と画像処理を使ったカルテであることから、「3Dカルテ」と名付けました。

一般的な医療でのカルテでは、患者の状態、提供した医療行為、医師の分析や考察の経緯が書かれます。今回は対象が樹木であり、物言わぬ患者です。すべてが客観的な情報で判断しないといけないため、なるべく数値で状況判断できるように幾つかの評価方法を考えました。

  • 樹幹の傾斜(複数画像から角度を3次元的に評価)
  • 樹木と建物や道路等の位置関係(複数画像または測定点群を使い評価)
  • 枝にかかる荷重解析(「老木保全」の記事参照)
  • 樹木にかかる風応力の確認(「老木保全」の記事参照)
  • 断面寸法の確認
  • 工事の施工結果の確認
  • 腐朽調査結果等の各種解析結果の確認

「3Dカルテ」は、それぞれの評価方法を1つのカルテ内で確認し、3次元的に見ることを目的としています。通常ではPDFや紙という2次元的な情報でしかない情報を、3次元的に見えるようにすることで樹木の評価をする方々に対して、更に多くの情報を伝えられると考えました。

3DカルテはExcelのままのデータや、PDF、印刷して回覧が可能です。

すべての評価について、その結果を1カルテ内で閲覧することができます。

さらに、結果は3D情報として確認可能です。
Excelの場合は、Excel内で回転します。これにより、見たい方向から画像を見ることができるようになります。特に、3次元データによる視認性の向上により、荷重解析や風応力解析の結果や施工結果の確認は様々な視点での評価ができることが期待されます。

単独で起動するViewerで見ることもできます。

このような形で管理することで、その樹木に関する情報をExcel(Officeデータ)、PDFや紙で閲覧することができ、且つ情報を管理していることから、データの蓄積を経て、AI等を使ってビッグデータ解析を行うことも期待できます。

今後も、各種評価方法を検討していき、製造業以外の業界でも貢献できるように継続的に挑戦していきます。

研究担当

樹木保全のための3Dカルテ

株式会社アルモニコス 代表取締役社長 森川滋己

1988年、(株)アルモニコス入社。

入社以来、「点群、ポリゴン、自由曲線、自由曲面」を扱う形状処理技術に従事。特許出願、多数。アルモニコス製パッケージソフトspGate、spGauge、spScan、ClassNK-PEERLESSの企画および立ち上げを牽引。

1999年、取締役に就任。2014年、代表取締役社長に就任。

趣味は、読書、釣り、ゴルフ、サーフィン。

樹木保全のための3Dカルテ

A-Pro事業部 営業部長​ ​宮崎​祐樹

1993年、(株)アルモニコス入社。

フレームワーク、受託システム開発に従事。その後、アルモニコス製パッケージソフトClassNK-PEERLESSの立ち上げを担当し、同ソフトの営業責任者として現在に至る。

趣味は、ゴルフ(スイング改造中)、金魚とメダカのお世話。中学2年生から広島カープファン。

樹木保全のための3Dカルテ

所属・肩書は記事掲載時のものであり、現在とは異なる場合があります。