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機能

大容量CADデータの軽量化(生産ラインシミュレーション)

生産ラインシミュレーションでは数多くの3D CADモデルを用います。元になるCADモデルが複雑だったり、構成する曲面数が多い場合には、シミュレーションシステムで読み込み時に生成するメッシュ数も膨大になってしまいます。メッシュ数が多いということは、シミュレーションシステム全体のレスポンス低下にも大きな影響を及ぼします。
そのため、大規模な生産ラインシステムでシミュレーションするためには、CADデータの軽量化処理は欠かせません。

不要な形状例①

内側の見えない形状

生産ラインシミュレーションでは、形状が干渉するかどうかなど外側の形状が重要になります。そのため、内側の(目に見えない)形状は一般的に不要です。内側の不要な形状を削除したとしても、外観に違いは生じません。

不要な形状例②

小さな部品形状(ボルト・ネジ等)

シミュレーションにおいて、それほど重要ではない小さい部品形状が膨大に存在していると、全体のデータ量が大幅に増えてしまいます。特に径の小さい円柱やフィレット形状が存在すると、メッシュ数が異常に増え、レスポンス低下につながります。

例えば、「座金付きボルト」1個あたりのメッシュ数は条件により648~1740個になります。モデル全体でボルトが500箇所存在する場合、メッシュ数は32,000~870,000個になってしまいます。

 座金付きボルト
(M6-L40)
パート数3
面数28
メッシュ数(ポリゴン数)※最大エッジ長: 3mm1,740
最大エッジ長: 6mm1,066
最大エッジ長: 10mm972
最大エッジ長: 無指定648
※このメッシュ数は、spGateを用いて曲面をメッシュ化した場合の参考数値です。シミュレーションシステムのメッシュ化処理がラフな精度で処理した場合には、ここまで多くのメッシュ数にはなりません。

不要な形状例③

穴有りプレート

プレートには、ネジやボルトが貫通するための穴形状が多数存在しています。これらの形状をメッシュ化すると、円柱自身も多数のメッシュが発生し、プレート自身にも多数のメッシュが発生します。

条件にもよりますが、穴が有る場合は、穴が無い場合に比べてメッシュ数は5倍多くなってしまいます。

 穴有りプレート穴無しプレート
パート数11
面数2610
メッシュ数(ポリゴン数)※最大エッジ長:3mm16,64016,816
最大エッジ長:6mm4,4484,224
最大エッジ長:10mm1,7761,280
最大エッジ長:
無指定
700140
※このメッシュ数は、spGateを用いて曲面をメッシュ化した場合の参考数値です。シミュレーションシステムのメッシュ化処理がラフな精度で処理した場合には、ここまで多くのメッシュ数にはなりません。

軽量化対策例①

陰面除去機能

外側から見えない内側の形状を自動削除します。
処理単位は、「曲面」もしくは「パート」を選択可能です。
できるだけ軽量化を目指す場合には「曲面」を選択します。

視線軸は自由に設定できますが、あらかじめ均等に分散された多数の視線軸も用意してあります。
詳細は別記事参照(5万面のフルモデルを1/100に軽量化)。

軽量化対策例②

フィーチャ自動認識

ネジやボルトなど、同一の位相構造(トポロジー)を持っている部品形状は、あらかじめフィーチャー登録しておくことで一括検出できます。モデルツリー(アセンブリツリー)で不要な形状をひとつずつ手動制御する場合には、見落としなどのヒューマンエラーが生じます。フィーチャー自動認識は自動処理ですので、不要な形状を全て登録しておくだけで、見落としを回避できます。

自動検出したものは、一括でフェースカラーを変更できますので、一旦全体を確認した後に、一括非表示や一括削除も可能です。前述した「不要な形状例②:小さな部品形状」なども、あらかじめSTEPファイルでフィーチャ登録しておくことで、CADモデル全体の中から自動一括検出が可能です。

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