点群・ポリゴン処理
iPad Pro LiDARでの点群データスキャン
アルモニコスのラボラトリー1号目「デジカメで写真を撮るだけで、3次元計測」では、自社開発の空間計測ソフトウェア「撮測3D」を紹介させて頂きました。
今回は、汎用的な機器「iPad Pro」で計測したポリゴンメッシュから、対象物の3D CADモデル化にチャレンジしました。
2020年版 iPad Pro (注1) は、LiDARスキャナを初めて装備し、5メートル先の周辺の対象物までの距離を計測することが可能です。
(注1) iPad Proは、Apple社製のタブレットデバイスです。今回、使用したものは2020年3月25日発売のものです。
広角カメラ「LiDAR」が搭載されたことにより、簡単計測やARツールの実現可能性が高まっており、アルモニコスにおいても調査、研究を始めました。
Apple、LiDARスキャナを搭載した新しいiPad Proを発表、iPadOSでトラックパッドに対応
https://www.apple.com/jp/newsroom/2020/03/apple-unveils-new-ipad-pro-with-lidar-scanner-and-trackpad-support-in-ipados/
iPad Pro LiDARでのスキャン撮影

iPad ProのLiDARカメラを利用し、弊社R&Dセンターの外階段の撮影を行いました。


点群データの生成
撮影したデータから、ポリゴンメッシュを取得することができます。
寸法が大きな建物を撮る場合、ArKit から直接取得したメッシュは位置ずれが発生しやすいことが分かりました。
対策として、 アルモニコス製品「spGauge」の機能を使用し、 部位別の複数回の撮影から取得したメッシュデータの位置合わせを行いました。


点群データのCADモデル化
以下は、アルモニコス製品「ClassNK-PEERLESS」によるリバースモデリングの結果を3Dで表示したものです。
その他結果
会議室
以下は、位置合わせ後のメッシュです。
ショット単位で色を変えています。


以下は、ClassNK-PEERLESSによるリバースモデリングの結果( 3D表示)です。
作業フロー図

R&D外階段 | 会議室 | カウンターテーブル | |
総点数 | 29万 | 8万 | 18万 |
ショット数 | 28 | 19 | 12 |
spGaugeでの作業時間 | 4h | 3h | 1.5h |
ClassNK-PEERLESSでの作業時間 | 2.5h | 2.5h | 0.5h |
一連の作業を1つの動画にまとめてみました
関連製品
製品検査システム spGauge
大規模点群モデル化システム ClassNK-PEERLESS
※今回、以下の研究担当のプロフィール写真は、iPad Proにて撮影した点群です。
研究担当
AXION事業部 穆凱圓
横浜国立大学大学院工学府システム統合工学専攻博士前期(修士)課程修了。修士論文は「Isogeometric analysis of shell models with accurate curvatures represented by B-spline surfaces」。
入社以来、点群、ポリゴンメッシュ、曲線・曲面関連の仕事に従事。アルモニコス製検査ソフトspGaugeの開発を中心として活躍。2018年からは同社製リバースソフトspScanの開発を新しい舞台に。
A-Pro事業部 金秉訓(キムビョンフン)
2012年、韓国プサンにある東亜大学機械工学科を卒業、同年アルモニコスに入社。
入社後から韓国へのパッケージソフトの営業や技術サポートを実施。2018年からは国内にて、主にClassNK-PEERLESSの営業を行っている。
趣味は映画、グルメ旅(ラーメン、辛い物)、ビリヤード。
A-Pro事業部 谷本和彦
2019年、京都大学大学院 理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻 博士後期課程単位取得退学。博士課程では、「量子統計物理学を用いた物質の磁性」に関する研究に取り組む。
同年アルモニコスに入社。
入社後は、受託開発の仕事に従事。
趣味はお酒を飲むこと。特に日本酒が好きで、お気に入りの銘柄は「風の森」。
AXION事業部 Imane Bouamama(イマン ブアママ)
2013年、モロッコの大学 ”Ecole Mohammadia d’Ingénieurs” の電気工学部を卒業。
2018年、東北大学大学院経済学研究科卒業。同年アルモニコスに入社。現在は、受託開発の仕事に従事。
アラビア語、フランス語、英語、日本語、ダリシャ語(アラビア語のモロッコの方言)の5つの言葉を操るエンジニアであり、社内の英会話レッスンの先生。
趣味はヨガ。
A-Pro事業部 村越あやか
2019年、滋賀県立大学 環境科学部 環境生態学科卒業。
子供の頃から微生物に興味を持ち、顕微鏡で覗いていた日々。大学ではミジンコの研究に没頭。アルモニコスの技術を自然科学に活かしたい、と同年アルモニコス入社。
現在は、アルモニコス製パッケージソフトClassNK-PEERLESSの開発や、受託開発を行う。
趣味は旅行、アウトドア、写真、読書。